坂道のカフェ 〜好きって言ってもいい?〜

「平気ですよ。楽しかったです。」

「ならよかった。」

安心したように楠さんは笑顔を向ける。

「ねえ、結衣ちゃんって倉科さんと知り合いなの?さっき話してるとこを見かけたんだけど...。」


不思議そうな顔でこっちを見る楠さん。

「実はあまり言ってなかったんですけど、私の父が会社を経営していて。昔お世話になった人なんです。」

すると、楠さんは驚いた顔をする。

「そうだったんだ。それでか、なんか納得。」

そこからはお酒を飲みながら他愛もない会話をした。