「それに、俺も結衣ちゃんに会いたいし。」


楠さんはサラっとそんなことを言った。

それに恥ずかしくて言葉が出ない私。

「おーい、結衣ちゃん。聞こえてる?」

「あ、はい。じゃあ、用意ができたら向かいます。」


楠さんと電話を切った後、すっぴんだった私はメイクをしていつもはあまり着ないワンピースを着る。

それに合うように髪の毛を緩く巻き、ヒールの靴を履く。