少し暖かくなった春の日差しがとても心地いい。


私は21歳の大学生。

今日もいつも行っているカフェに寄ろうと、坂道の途中にある扉に手を掛けた。


―――カランカラン

扉についている鈴がきれいな音を鳴らす。


「いらっしゃい。」


カウンターの中からいつもと同じようにこちらに目を向ける。