幼なじみとの恋は波乱で。(仮)

「それじゃ、この服に着替えて」

「はい」


いつものスタイリストさんが、

私に衣装をさしだしてきた。


着替えてヘアメイクを済ませてから、

11階にあるスタジオへと移動する。



カシャ、カシャッ。


カメラのシャッター音が鋭く鳴る。


それとともに発せられるフラッシュも、

この部屋の雰囲気も、もう慣れてしまった。


最初は眩しくて目をつぶってしまって、

何回も撮り直しをして。


スタジオの雰囲気は

ピリピリしているように感じた。


怖くて緊張して体が固まって。


何枚も撮られて、

そんなにポーズできないよ、とも思った。


笑顔も作り笑顔、って感じがする、

とか言われて。


でも。


今なら、自信を持って笑える。


ポーズだって、その場に合わせてできる。


………成長、したのかな…?


そうだったら嬉しいな。


私は発せられるフラッシュの光の中で

そんなことを思った。



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