あしたの星を待っている



「瑠偉くん、着替えありがとね」


着替えをするついでにシャワーを借り、制服は洗濯機に放り込み、ここまできたら逆に遠慮する方が失礼だろうと棚にあったドライヤーで髪も乾かした。

久しぶりに来た瑠偉くんのお家。

お風呂場を借りたことも昔は何度かあったけど、あまり変わってなかった。

ただ、ひとつだけ変わったものがあるとしたら、借りたTシャツがとても大きかったこと。スエットなんかもぶかぶかで、改めて体の違いを感じた。


「飲み物、そこ置いてる」

「ありがとう」


瑠偉くんも着替えたようでさっきとは違うシャツで、首からタオルを掛けている。

リビングのテーブルの上に置かれたマグカップには、温かいミルクティーが入っていた。口を付けるとはちみつの甘い香りが広がる。


「あの、この前ごめんね……」


瑠偉くんのバイト先に行ったときのことを謝ると、彼は目線を逸らしながら「いや、俺も言い過ぎた」と後頭部に手を当てた。


「おいしい」


何だか、ホッとするなぁ。

木のぬくもりを感じる家具も、少しごちゃっとしてて生活感溢れる空間も、統一感のない鉢植えも。壁に設置しているオモチャのバスケットゴールも。

サイドボードに飾られたたくさんの写真も。

傍に人がいるんだって感じがして、安心する。

うちとは全然違う……。