あしたの星を待っている



「もうすぐ夏休みに入るわけだが、注意事項を伝える」

「待ってました、夏休みー」

「聞け!」


6限が終わりホームルームの時間になると、気が緩む。

ましてや、テストも終わり開放的な夏がそこまで来ていると思えばなおさらで、ざわつきが収まらないクラスに先生が渇を入れた。


「お前ら、遊んでられるのも今のうちだぞ! 夏が終わればすぐに進路相談が始まり、受験に向けてだな、」

「先生、もうやめてー! 聞きたくないー!」

「じゃぁ、目先の注意事項だけ聞くか?」

「聞きます、聞きます!」

「えー、ここ最近、駅の近くで不審者の目撃情報が多発してるそうだ。明るい時間でもできるだけ1人で出歩かないように、ということだ。夏は変な奴が溢れるからな、特に女子は気をつけろよー」


以上、と先生が締めくくると同時にカバンを持って立ち上がる生徒が数人。

浮かれるなという方が無理だよね。

先生もそれは分かっているようで、苦笑いしながら教室を出て行った。




夏は変な奴が溢れる、か。





「ねぇ花菜! 今週末さ、一緒に合宿の買い物行かない?」


部活に行く用意をしていたら、エナメルバックを肩に担いだ七海が近寄ってきた。

夏休みに入ると、すぐに合宿が始まる。


「いいね、行こう」