平気と言ったけど、なかなか痛い。
突き指はバスケをしてる者にとって最も警戒しないといけない怪我なのに、馬鹿だよなぁ。もうすぐ合宿だってあるというのに。
はぁ……ほんと馬鹿。
注意不足だった自分を心の中で罵りながら、保健室に着くと先客がいた。
そして、どうやら先生はいないらしい。
「黒沢さん?」
「あ、えっと……」
「夕里。夕里花菜。どうかしたの?」
「うん、ちょっとね。夕里さんは?」
これ、って手を見せると、黒沢さんはただでさえ大きな瞳をさらに大きくさせた。
「痛そう、部活で?」
「うん、バスケ部なんだ。たぶん冷やして湿布を貼っとけば治ると思うけど、先生いないし、適当にやっちゃおうかな」
「あ、じゃぁ私が……」
黒沢さんがそこまで言いかけたとき、保健室のドアが勢いよく開いて慌てた様子の葉山先輩が入ってきた。
急いで来たのか髪が乱れ、息が上がっている。
「突き指したって聞いて、大丈夫か!?」
「先輩、大丈夫ですよー」
「そんなこと言って、腫れてるじゃないか! よく見せてみろ」
「んっ、」
強引に腕を取られて、思わず腰が引けた。
だけど、先輩はそんなのお構いなしで、黒沢さんが用意してくれた氷嚢を私の指に押し当てる。



