あしたの星を待っている



聖ウィステリア女子といえば、中高大一環の私立校で真紀子ちゃんが叫んだ通り言わずと知れたミッション系のお嬢様校である。

朝は礼拝から始まり、感謝する心をモットーに勉学に励む。

キリストの教えに基づき、他者への愛と奉仕の精神を備える女性を育成するという素晴らしい学校なんだ――と、どうして私がここまで詳しいかというと、高校受験を受けたからである。

全寮制で生徒はもちろん、教職員のほとんどが女性というのも魅力的だった。

だけど、落ちた。

ぐうの音もでないほどの完敗だった。


「聖ウィステリア女子を辞めるってよっぽどだよね、問題でも起こしたのかな」

「それか、うち(西高)に来たい理由があったとか」

「まさかー、家庭の事情かもよ。私立校って学費高いんでしょ」

「あぁ、そっちかも」


うんうんと頷き合ったところで、休み時間が残り2分を切っていることに気が付いた。家庭科室は第2校舎だ。

走れー! と一斉に駆け出して、どうにか教室に滑り込んだ時にはもう、さっきの話は忘れていた。







「花菜、パス!」

「あっちょっと待って――痛っ」


指先を弾いたバスケットボールが、板の上を転がっていく。

しまったな、ディフェンスの動きに気を取られ過ぎた。

ジンジンと痺れるような痛みが指全体に広がり、その場に立ちすくんでしまった。

ボールを投げた七海が心配そうに駆け寄ってくる。


「ごめん! 大丈夫!?」

「平気平気、こっちこそごめん」

「なんで花菜が謝るのよ。あぁー……腫れてきたね。保健室行ってきなー」

「そうする」