「聞きたいことがあるの」
「だから、何」
「七海と葉山先輩って、いつから知り合いだったの」
「は? そんなの高校からに決まってる……」
小さく息を吐き小馬鹿にしたように答えた七海だったけど、持っていたスマホを見せると驚いたように目を見開いた。
先輩のパソコンから出てきた写真。
その中に映っていたのは、七海だった。
「どうして、あんたがそれを?」
「葉山先輩の家で見つけたの。中津くんから聞いたけど、ここに写っているメンバーは地元の不良グループなんだよね」
「中津のやつ……。絶対に喋るなって言ったのに」
「ねぇ、七海は先輩の本性を知っていたんだよね? 知ってて私に勧めたのは、どうして?」
本性、と口にしたとき、七海は眉をピクリとさせた。
それはもう肯定したと受け取っていいのは明らかで、心の中にあった僅かな望みを打ち砕かれた気持ちになった。
親友だと思っていたのは、私だけだったのか。
「花菜との仲を取り持つよう先輩に頼まれたから。って言ったら信じる?」
「それだけじゃないでしょ」
「分かってるなら聞かないでよ。そうだよ、あんたがウザかったの。男性恐怖症だとか言いながら男の前でもじもじしちゃってさ。そういうのが余計、男の気を引いているのに気が付かなかった?」
「私はそんなつもりじゃ、」
「つもりじゃなくても実際そうなんだよ。案の定、先輩はあんたのことが本気で好きになっちゃうし、矢吹くんだっていつもあんたを気に掛けててむかつくっての」
「……瑠偉くんに何か言われたの?」
「幼馴染はいいよね。何が花菜をフォローしてやってくれよ、私には見向きもしてくれなかったくせに」



