あしたの星を待っている



「警察には、いつ?」

「1つだけ、はっきりさせたいことがあって。そのあとになると思う」

「一緒に行こうか?」

「大丈夫、1人で行く」

「無理するなってのは……聞かないよね。分かった。でも、連絡はいつでも取れるようにしておいてね」

「ありがとう」


その夜、ひとりになった私はこれまでのことを色々考えていた。

高校受験に失敗して、今の西高を選んだことまでは、偶然だったはず。

受験の時に一緒になった七海が生き生きとした表情でバスケの話をしていて、そんな彼女がキラキラ眩しくて。

『迷ってるなら一緒にやろうよ』

その一言で入部を決めた。

先輩と再会したのは、偶然のはずだった。

私は先輩の顔すら覚えてなかった。

事あるごとに、七海から先輩の話を聞かされ、ほんの少し意識していた。

そんな先輩から告白を受けて、迷ったけど、これまた七海の強い勧めで付き合うことにした。

どうして気が付かなかったんだろう。

私と先輩を繋ぐ線上には、いつも七海がいた。



「話ってなに?」


翌日、退院した私はその足で七海に会いに行った。

ずっと部活を休んでいたし、教室でも気まずくて黒沢さんとばかり一緒にいたから、話すのは久しぶりだ。