帰り際に、なっちゃんが申し訳なさそうに
「ほんとにごめん!」と言ってくれた。

『大丈夫だってば。…掃除頑張ってね』

「うんー…でもさ、嬉しいでしょ?ことも」

『ん…?何が?』

私がキョトンとすると、なっちゃんはコソコソと耳打ちをしてきた。

「気づいてないかもしれないけど、ことはきっと永山に恋してるよ」

『ん?ん!?え?』

驚きのあまり今日1番の大声を発してしまった。

「まあ2人でゆっくり考えて。じゃあね!」

下駄箱に1人取り残されて、なっちゃんの言葉が頭の中をぐるぐるとしていた。



…私が永山を…好き?




楽しげに笑う彼の姿が浮かぶ。



永山に…恋してるの!?





口を塞がれて、すごくドキドキした。
まだ塞がれていた部分が熱い。



永山の好きな人が、、気になる。



一緒に帰れることに喜んでいる自分がいる。




…私は永山が……


『好き、かもしれない』