朝6時、起床時刻を知らせる目覚まし時計が鳴る。
私_和泉琴音(イズミ コトネ)は、今日から中学生だ。
いつもより少し早起きして、新品の制服に身を包んだ。
「琴音、準備出来たか?朝ごはん食べて行くぞ」
兄の真琴(マコト)が部屋のドアを開けて私を呼んだ。1階ではもう、父が朝ごはんを作り終えている頃なのだろう。
『まだ準備万端じゃないから先食べといて!』
そう兄に伝えて、スマホを起動し、LIMEというメッセージアプリを開いた。
親友、本田 夏沙(ホンダ ナズナ)に送ってもらった持ち物表の画像を開いて、一つ一つ確認する。
『大きめのカバンに、筆記用具、それから…』
準備物が揃っていることを確認して、階段を駆け下りた。
食卓には美味しそうな香りが漂っていて、父と兄が丁度食べ始める頃だったみたい。
『先に食べてって言ったのに!』
「お前初日なのにそんなゆっくりしていいのか?真琴より遅いなんて」
父の呆れた言葉を適当に返しながら髪の毛をポニーテールに結んだ。
私の母は小さい時に白血病で亡くなり、それからずっと父と兄との3人暮らし。
母の思い出はほとんどないけれど、食卓の後ろにある額には優しく微笑む母、それを見ながら笑う幼い私が写っている。
私_和泉琴音(イズミ コトネ)は、今日から中学生だ。
いつもより少し早起きして、新品の制服に身を包んだ。
「琴音、準備出来たか?朝ごはん食べて行くぞ」
兄の真琴(マコト)が部屋のドアを開けて私を呼んだ。1階ではもう、父が朝ごはんを作り終えている頃なのだろう。
『まだ準備万端じゃないから先食べといて!』
そう兄に伝えて、スマホを起動し、LIMEというメッセージアプリを開いた。
親友、本田 夏沙(ホンダ ナズナ)に送ってもらった持ち物表の画像を開いて、一つ一つ確認する。
『大きめのカバンに、筆記用具、それから…』
準備物が揃っていることを確認して、階段を駆け下りた。
食卓には美味しそうな香りが漂っていて、父と兄が丁度食べ始める頃だったみたい。
『先に食べてって言ったのに!』
「お前初日なのにそんなゆっくりしていいのか?真琴より遅いなんて」
父の呆れた言葉を適当に返しながら髪の毛をポニーテールに結んだ。
私の母は小さい時に白血病で亡くなり、それからずっと父と兄との3人暮らし。
母の思い出はほとんどないけれど、食卓の後ろにある額には優しく微笑む母、それを見ながら笑う幼い私が写っている。