そして目を開け、真由を見つめる。


「言えない。でも、あたしの人生がかかってる。股かけしてでもお金が必要」


そう言うと真由は口を引き結んだ。


なにか言いたいのだろうけれど、何も言えない様子だ。


「……あたしのせいかな?」


不意にそう言われ、あたしは瞬きをした。


「なにが?」


「愛が、変わっちゃったのってあたしが《彼氏売買所》なんて教えたからかな?」


その声は悲しそうに震えている。


違うとは言えなかった。


けれど、《彼氏売買所》をどう利用するかは、あたし自身が決めていることだ。


真由はなにも悪くない。