「一カ月しても返せなかった時は、また取り立てが始まるんですか」


そう聞くと、ホストの男はあたしの顔をマジマジと覗き込んできた。


怖いけれどカッコいい。


そんな相手に睨まれたら、完全に動けなくなってしまう。


「お前は何を気にしてる? 両親の事を気にしてるのか?」


そう聞かれて、あたしは頷いた。


このままじゃ家族はバラバラになってしまう。


あたしはそれを避けたいんだ。


「それならお前の両親には取り立てをしない」


「本当に!?」


ホストの言葉にあたしは勢いよく顔を上げた。