西田さんとのデートはいたって普通だった。


会話の内容が大人になるだけで、同級生たちと変わらない。


あたしが車は嫌だと言ったから、行ける範囲も広くはなかった。


その範囲内でも、西田さんはあたしを楽しませようとしてくれているのがわかった。


本当にいい人なのかも。


そう思うとなんだか申し訳ない気分になってくる。


あたしの警戒心が西田さんを不安にさせているのではないかと、思い始めていた。


「ちょっと休憩しようか」


しばらく歩いてから、西田さんが公園を指さしてそう言った。


公園と言っても遊具はなく、サッカーゴールだけがあるちょっとした広間とベンチがあるだけの場所だ。


「うん」