それから数分して、優里が慌てた様子で教室へ駈け込んで来た。


そのまま真っ直ぐあたしの席へと向かう。


「ちょっと愛! あんた知ってるの?」


その言葉にあたしは目を丸くして優里を見た。


「知ってるって、なにが?」


「小林君、昨日他の女の人と歩いてたって! 小林君って愛の彼氏だよね?」


早口にそう言う優里に、あたしと真由は目を見交わせた。


小林君はあの後すぐに売れたのだろう。


さすがだ。


「あぁ~……。それが、昨日別れちゃって」


そう言うと、今度は優里が目を丸くしてあたしを見た。