これなら、いつも言えないことも今日なら、言えそうと私はワクワクした足取りで家路を急いだ。
すると、前から聞きなれた声が聞こえて、ハッと顔をあげた。
そんなわけない、あって欲しくない。そんな気持ちも届かず、前には知らない女の人と歩く彼氏 優弥がいた。
私の手は、力を失って、紙袋を落としてしまった。
その音に驚いた二人が振り向いた。
優弥の顔を見ると、ほんとうに驚いた顔をしていた。
私は、頭が真っ白になって、その場を、逃げだしてしまった。
「ちょっと待って!」