次期国王はウブな花嫁を底なしに愛したい


なおも続く王妃の言葉にセドマが噛みつくも、穂先を喉元寸前まで突きつけられ、言葉は途切れた。


「そしてもう一人、この娘に手を貸した罪人がいる」


王妃の合図で、近衛兵ふたりがボンダナの両脇を抱え持ち、広間へと入ってきた。


「離せと言っておろうが。いったいなんだというのだ」


ボンダナは反抗するように両手をばたつかせていたが、横たわる姿に目を留め、動きを止めた。

そして黒髪の女性が誰なのかに気付き、息も絶え絶えな様子を見て取ると、怒りを露わにする。


「……リリアなのか? ……お前らなんてことを!」


近衛兵に抑えつけられながら、必死に「リリア!」と呼びかけるボンダナを鼻で笑ったのち、王妃は客人へと身体を向けた。


「このおいぼれが出した予言も偽りだ。すべてはソラナの娘、つまり自分の孫に権力を掴ませるためのこと。国をいずれ自分のものにするつもりだったのだろう」


王妃の言葉は、その場に居合わせた人々の心を揺さぶり、ぽつりぽつりとボンダナやリリアに疑いの眼差しを向け始める者も現れ出す。

それに満足し、王妃は自分の後ろに控えていたユリエルを隣りへと並ばせる。