次期国王はウブな花嫁を底なしに愛したい


褒められたことにさらに顔を熱くさせてリリアがグラシナに微笑み返すと、それを受けたグラシナも笑みを深めた。

先ほど回廊で会った花嫁候補の女性からの視線は不快でたまらなかったが、こんなに見つめられてもグラシナの視線は気に障らなかった。

リリアははにかみながら、グラシナは楽しそうにふふふと笑い合うと、その場の空気が一気に和み出す。

成り行きを見守っていたセドマがやれやれと言った様子で短く息を吐いた時、「決めたわ!」とグラシナが拳を握りしめた。


「お兄様からはダメだと断られてしまったけれど、やっぱりわたしくも一緒に食事の席に着かせてもらうわ! いろいろお話がしたいもの!」

「……一度断られていらっしゃるなら、オルキス様に怒られてしまうのでは?」


言葉を選びながら困惑気味に言葉を並べたセドマだったが、当のグラシナは聞いていない。パッと顔を輝かせて「そうだわ!」と手を打ち鳴らした。


「お兄様は急な客人の対応であと少し時間がかかりそうなの。だからそれまでの時間をわたくしに下さいませ!」


グラシナの嬉しそうな顔から、何かをしようとしているのは明らかだった。

思わず身構えたリリアとセドマは、どちらからともなく視線を通わせる。