熟恋ージュクコイー

少し遅れて居酒屋に着くと、優子はもう座って注文をしていた。

「遅くなってごめんね〜優子!席取ってくれてありがとう!」

『おー来た来た!何飲む?』

「生で!!」

『じゃあ生2つねー!
さてと。さくら。隠し事あるでしょ?」

「ん?!隠し事?何?突然!」

『田中さんのこと』

「あぁ…それは…。話そうと思いながら今に至ると言うか…」

『え〜水くさいなぁ。弟から聞いたのよ。田中さんと仕事で会ったらしくてね。さくらと会えたのは弟のおかげだって感謝されたらしいよ。で?どういうこと?』

かくかくしかじか…田中さんとの話をした。
私のまだ整理できていない気持ちも含めて、洗いざらい話した。

「優子、話さないつもりではなかったのよ。それだけはわかって!」

『ふふっ。そんなのいいのよ。でもさ、どうすんの?』

「うーん…まだ3回しか会ってないし、夫と子供達の事も自分の中で整理できてないし、どうしたらいいかわからないの、正直なところ」

『ねぇ、それを田中さんに話したら?』

「え?」

『何も理由がわからずに距離を置かれるよりも、そういうモヤモヤしたものがあるから、距離を保ちたい、と言われた方が気が楽じゃない?』

そうか…確かにそうだ。。