熟恋ージュクコイー

火曜日からは本当に仕事が忙しくて、何度かお惣菜に助けてもらい、どうにか金曜日を迎えた。

今日は優子が午後休なので、私は1人でランチ。

天気が良いので、コンビニでランチ調達して公園で食べることにした。

空いているベンチに腰掛け、頭上に広がる、桜の花を見ていると、なんていい季節になったんだと心から幸せになる。

はぁ〜と深呼吸をして、コンビニの袋を開けようとすると、目の前に人がいた。

「真野さん?」

!!!!

「た、田中さん?!」

あぁ、盛大に口を開いて花を見上げる間抜けな姿を見られたな…

「あ、やっぱり真野さんだ!
似ている人がいるなぁと思って来てみたんです。お昼ご飯、ご一緒してもいいですか?」

と、田中さんもコンビニの袋を持ち上げた。

『もちろん、どうぞ』

ベンチの端に寄って、一緒に腰掛ける。

『オフィスはこの辺りでしたっけ?』

「あ、いや、取引先を訪問していて、この辺りに来ました。桜が綺麗だったので、コンビニでご飯を調達して、花見をしようかと思っていたところです。」

『ふふふ。同じです。あまり大掛かりなお花見には行かないんですが、こうやって綺麗な時期には簡単にお花見します。今日は本当にキレイですね。』

「このタイミングで真野さんに会えるなんて、今年のお花見は最高です。」

ニコニコしながら、さらっと恥ずかしくなる事を言う田中さん。

桜どころじゃなくなる、心。