熟恋ージュクコイー

田中さんが席を移動してくれて、真正面に座っている。

思わず目が合い、

「こんばんは」

と改めて挨拶をしてしまった私。

田中さんは笑いながら、

『こんばんは。今日は来てくれてありがとうございます。』

と柔らかく話した。

『さぁ、まずは注文しちゃいましょうか!お腹すいてますか?』

「はい。」

『じゃあ食べるものも一緒に見てみましょうね』

2人でメニューを見る。

メニューを見ながら、田中さんをチラリと見てみる。
こんな顔だったかぁ…あぁ、何話したかなぁ?確か優子の弟とは元々同じ職場とかなんとか…
はぁ。思い出せない。

『真野さん?決まりました?』

「あ、はい。ビールで。あと、豆腐のサラダが食べたいです。」

『あ、いいですね!真野さん、煮込みは好きですか?』

「大好きです!」

『良かった。じゃあ一緒に頼みましょうか』