ミキのお店でご飯を食べたあと、大輝とカンナと三人で家に戻った。

帰り道、大輝が言った。

「田中さん、いい人じゃん。
お母さんの事、大好きなのが滲み出てたよね。
良かったね、お母さん。
一緒に笑える相手が見つかって。
俺、安心したわ。」

本当、一人前な事を言うようになった。

『2人とも会ってくれてありがとう。隠したりしたくなかったから、会ってもらえて嬉しかった。』

「ねぇ、お母さん。田中さんもさぁ、たまには夕飯に誘ったらいいじゃん?金曜は私がバイトだし、いつも1人じゃん。」

カンナも雅也さんに心を開いてくれている。

『うん、そうだね。話してみるね。』

「そういえば、今晩、お兄ちゃんは友達に会うんでしょ?私も彼氏に会うし…お母さんもさ、田中さんに会ったら?」

カンナはたまに突飛な事を言う。

『え?さっき会ったばかりだよ?』

「まぁ、それは子連れだし。お互い緊張してたし。ゆっくり話してきたら?」

すると大輝が話し始めた。

「実はさ、カンナと俺も、お母さんが一人で家にいるのを心配してたんだよ。お父さんがいなくなってからずっと。最近は飲みに行く事もあるって聞いて少し安心してた。行って来なよ。1人じゃない方が、俺もカンナも安心だから。」