1か月前が経った頃のこと。
この日は入試まであと1か月と迫っていた。

いつも通り塾に行くと、塾長がニヤニヤしてわたしの方にやってきた。

【あのね、松木さん。あしたこの前のヘルプの先生来るよ。上村先生。】

「え!本当ですか?! あっ、でもあした授業入ってないんです。」

【自習においでよ。】

「あ!はい!明日絶対来ますね!」

【はーい!】


そして、翌日。塾に行くと一目惚れした人の姿があった。

「なんか緊張する。」

わたしは思った。

この日はわたしが1番仲良くさせてもらっている塾の先生もいて、とってもたのしかった。

しかし、この日はあまり上村先生とは話せなかった。

なぜなら、同じ中学の後輩がずっと上村先生と話していたからだ。

「なんで後輩達となんか話すの。わたしと話してよ。あー、なんかモヤモヤする。」

“お前なんか顔こえーよ笑”

と仲のいい先生からの言葉だった。

「だって見てよ。あれ。むかつく。」

“お前それヤキモチだよ笑”

「え?ヤキモチ...。」

“うん。笑”

「そっか。ヤキモチか。」

わたしはこの言葉でわかった。わたしは上村先生のことが気になる。

この日、唯一話せたことがあった。
それは、
「また会えたね。」

『そうだね。』

ということだった。

わたしは自習中、ずっと思っていたことがあった。

「また先生と会えないかな。入試前にあと1回はまた会いたい。」

ということだ。

と、そのとき、塾長がきた。

【上村先生ね、また来週くるよ。】

「え?!そーなの?!」

【うん。だからまた会えるよ。】

「うん!」

こうして今回は帰った。