蒼空side
今日からこのオンボロ学校へ転校した。
何故かというと、前の学校にはいられなくなったからだ。
簡単にいうと前の学校はここよりも綺麗で頭も良くて、所謂私立の良い所。
当然、俺達のようなタイプは歓迎されない。
進級もままならず、金がかかるだけなので思い切って転校してみた。
そんな所だ。
学校が変わったからといって毎日お利口に通うわけじゃない。
むしろ前よりもサボれる。
なんたってここは不良の王国。
俺達"司王"の4人は転向初日早々屋上にサボりに行った。
「可愛い子いたー?」
こいつは時雨。
女ったらしの情報管理担当。
「いなかった」
こっちは星夜。
銀髪に青の目を持った天然副総長。
「お前はまた女探しかよ...」
赤髪の大柄なこいつは特攻隊長の琉。
近頃俺達のお母さん的存在になりつつある。
「俺、あそこのタンクで寝て来るわ」
そして俺。
司王の総長、蒼空。
日当たりも風通しも申し分ないタンクの上で俺は寝ようとした。
が。
「...」
先客がいた。
梯子を上って見るとそこには女が寝ていた。
「ごめん...なさい」
寝言か?
しきりに謝罪を口にする女。
よく見るとその女がただのやつじゃないことがわかった。
「どーした、蒼空?」
中々タンクに上らない俺を見て他の奴らも来る。
「女がいた」
「は?」
「見てみろよ」
「わ!美人ー!!!」
小声で叫ぶ時雨。
「見せて見せて」
星夜も珍しく興味を持った。
「ほんとだ...」
お、認めたのか。
珍しい。
「俺にも見せろよな!」
押し合いへし合いしながらすやすや眠る女を見る。
痛みを知らない真っ直ぐなサラサラの金髪ショート。
長い睫毛。
薄ピンクの唇と陶器のように白い肌。
起きたところが見たい。
誰もがそう思った。
「今日は帰るぞ」
「えー、起こさないの?」
「可哀想だろうが」
「うわ、蒼空が女の事考えて行動するとか」
失礼だぞ星夜。
俺だって柑奈の事はしっかり考えてる。
「時雨、あの女の事調べろ」
「りょーうかい!」
普通なら調べない。
普通の人ならば。
だが彼らは普通じゃない。
「普通」の定義を何にするかにもよるが世間一般的な人間の活動から外れてしまったのが彼ら。
そう、不良である。
気になったものは誰のことも気にせず調べ、欲しいと思ったものはどんな手を使っても手に入れる。
そういう人間なのだ。
司王と夜猫が出会ってしまった。
