美陽side

んー。
眩しい...。

陽の光が目にしみて起きる朝。
ぼんやりと時計を確認する。

8時半か...。
遅刻だな。

私は暁 美陽。(あかつき みよ)
地元の荒れ果てた学校に通う高校2年生だ。
他に言うことはないかな。


「そろそろ行くかー」


ポツリ、と誰もいないアパートの一室で呟いて家を出た。

梳かしただけでサラサラになる金色の直毛は私の生活と性格にすごく便利。

めんどくさいことは嫌いだからね。

ゼリーを飲みながら歩いて20分。

ボロッボロの荒れ果てた校舎。
割れた窓。
壁中の落書き。

神楽坂高校。(かぐらざか)
別名、不良の王国。

...まんまだけど。

遅刻なんて当たり前。
サボり?あぁ、いつものこと。

それがこの学校の常識だ。

足元のゴミを避けながら歩いて教室へ。

ガラガラガラ...。

「遅刻だぞ、暁ー」

あれ、数学の真っ最中だったみたい。

「すいませーん」

そう言うなり私は1番後ろの席に座り突っ伏した。


「おい、起きろ!」


ドリームワールドへ行かせてくれ。
さよなら、先生。

先生の呼び止めも虚しく私は旅立った。