それがナツミだった。



憧れの人だった。



俺は気まずくなり、携帯を取り出した。



その間にも後ろからナツミが近づいてくる。



携帯を開いても何もすることがなく、仕方なく親に早く来るように電話をしようとした。



が、その前に後ろから声をかけられた。



「ひどい、雨だね」



それはナツミの独り言だったのかもしれない。