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結局坂の途中で、俺とナツミは自転車を降り、押して先に進んだ。



「けどよー、なんでこんな山に来たんだ?」



「いいじゃん、あたしは好きだな、こういう所」



「ふーん、変わってんだな、生徒会長は」



俺が鼻で笑うと、隣を歩いていたナツミが頬を膨らませた。



「もー! そんなの関係ないじゃん! ケンジのバカッ」