「ったく、しゃーねーな。飛ばすからしっかり捕まってろよ!」



神虫山に続く道は次第に坂道になり、俺は一気にペダルを踏んだ。



後ろでナツミが笑う声が聞こえた。



その優しい包み込むような笑い声に呼応して、俺も笑ってしまった。



そう、俺は満足だった。



こんな他愛もない日常で。