「ナツミ、俺は−−」



赤く腫れた拳を下ろし、その場に座り込む。



「どうすればいいんだ? どうすれば、お前を救えるんだ」



胸の中に顔をうつめる。



「どうすれば、いいっんだ」



腫れた拳をもう片方の手で強く握りしめる。



「教えてっ、くれ」



雨の音が冷たい廊下に静かに響いていた。