[空夜side]

昨日のことが気になって、琉美に会いたくて仕方なかった

教室に向かうと見覚えのある背中があった


「琉美、おはよ」


なるべく冷静を装って話しかける


「お、おはよ...」


...ん?なんかいつもと違う?

こっちを向いたもののずっと下を見てるし...


「どうした?具合悪いの?」


俺は心配になって顔を覗き込もうとした

...その瞬間


「琉美ー!おはよ!」


「ふぇっ!」


あっという間のことでよく分からなかったけど...

瞬が琉美を連れ去った?

なんなんだよ、あいつら...どうなってんだ!?



ー昼休みー


「琉美、ご飯食べよ」


とにかく琉美と話したくて仕方なかった俺はすぐに琉美の教室へ向かった

琉美の後ろでは瞬が弁当を広げてたけどそれは気にしないようにした

...のに


「あ、今日は瞬と食べるから...」


また瞬!?どうなってんだよ!


「最近、瞬と仲良いんだね」


...って!俺何言ってんだ!こんなの余裕ないって言ってるようなもんだろ...


「私が瞬といるの嫌?」


琉美には余裕ない俺なんて見せたくない

しかも嫉妬の相手が瞬なんて絶対に嫌だ


「いや?あいつ良い奴だし別にいいと思うけど?」


これでいいんだ、これで...

琉美が一瞬悲しそうな顔をしたように見えた

...でもそれは勘違いだったみたいだ


「うん、優しいし話しやすいよね」


...やば、本心なんだろうけどだからこそ余計傷つく


「空夜〜たまには一緒に食べようよ〜」


今行ったら琉美は俺に妬いてくれるんだろうか...

そんなことを考える前に俺は教室を出ていた

これで...良かったんだよな?