[空夜side]

AM7:50

「「きゃーーーーーー!」」


毎度聞かされる歓声にはもう慣れた

愛想笑いだけ忘れずにいつものように教室へ向かう


「琉美、おはよ」

「おはよ」


俺が真っ先に声をかける女 鳴海琉美

本人は気付いてないけど天然だしルックスも抜群で属に言う隠れモテ子ってやつ

んで、俺の自慢の彼女


「放課後、駅前のカフェ寄らない?」

「お弁当作ってきたんだー!」


はぁ...なんでこんな可愛いんだよ

琉美の一つ一つが可愛くて話が中々頭に入ってこない

まぁ、琉美には絶対言わないけど


「お前なあ、琉美にベタ惚れのくせに可愛いの一言ぐらい言えるやろ!」


瞬は毎日のように言ってくるけど絶対言えない

なんでかって?それは、ちょうど俺達が付き合い始めた頃かな?


ー1年前ー


「空夜!明日髪切ろうと思うんだけど!」

「え?切んの?」


俺は長い方が似合うと思ってたから少し残念だった


「1回だけポニーテールしたことあんじゃん?あれ、めっちゃ可愛かったか らさ、ちょっと残念」

「ふーん、そっかー」


琉美は何か納得したように席に戻っていった


ー次の日ー


「空夜!」


え...やば...

そこにはポニーテールをした琉美がいた

俺は可愛すぎてしばらく目を奪われていたが、周りの男子達も見ていることに気付いた


(鳴海って可愛いよな)


その噂を聞いてから俺は思った

琉美を独り占めしたい、誰にも見せたくない

もう可愛いとは口に出さない