王子様は平民に恋をした

2人で並んで歩いていると
周りから歓声が上がった

もちろん遥くんのことだろうなぁ

黄色い歓声に笑顔を振りまいてる遥くんの
半歩後ろを歩いていると
遥くんを呼ぶ声が聞こえた

遥くんは私の方を向いて

「御井高と御井女はここからは道が分かれるんだ
だからここでお別れだよ」

「そうですか…」

「じゃあ、私は…」と言いかけた時に
呼び止められた

「ねぇ、琴ちゃん!
帰りもここで待ってるからね」

「なんでですか?」

私が聞くと遥くんは少し困りながら

「…ちょっと…琴ちゃんが心配かなって」

私が心配か
私も心配だなぁ
倒れちゃうよりかは一緒に帰る人がいた方が
心強いかな


それに遥くん……