「どのように変わったんだ?」

俺は玉村に聞いた。

自分では変わったと言う自覚はないが、他人からして見たら俺は変わったように見えるのだろう。

「うまく言えないんですけど…まあ、丸くなったって言った方が正解ですかね。

棘っぽい感じがなくなったって言うか、話しやすくなったって言うか」

玉村は俺の質問に答えたのだった。

確かに、少しばかり気持ちに余裕ができたような気がする。

それまで肩を張ったような生き方をしていたが、最近はそんなにも肩を張る必要性もなくなった気がする。

「ほお、そうか」

何だか照れくさくなって、俺は返事をした。

「それで、例の彼女とはどうなったんだ?」

俺がそう言ったら、
「ああ、そうでしたね。

その話をしていたんでしたね」

玉村は思い出したと言うように、ポンと手をたたいた。