お風呂からあがると、わたしは村雨さんの部屋へと足を向かわせた。

コンコンとドアをたたくと、
「どうぞ」

中から声が聞こえたので、わたしは彼の部屋に足を踏み入れた。

パジャマ姿の村雨さんがベッドのうえに座っていた。

「あの…」

「どうした?」

「本当に、一緒に寝るんですか?」

そう聞いたわたしに、
「君をリビングのソファーとか床のうえで寝させる訳にはいかないだろ」

村雨さんが答えた。

ご丁寧に、わたしが横になるスペースを空けている。

わたしがそこに寝転んだことを確認すると、
「じゃ、消すぞ」

村雨さんは部屋の電気を消したのだった。

部屋が真っ暗になった…だけど、わたしの隣には村雨さんがいる。