「ただいまー」

夕飯の用意をしていたら、村雨さんが帰ってきた。

「お帰りなさい、忠政さん」

キッチンから声をかけたら、村雨さんがリビングにやってきた。

「えっ!?」

その光景に、村雨さんは驚いたと言うように大きな声をあげた。

「お帰り、忠政」

わたしと一緒に夕飯の用意をしていたその人が村雨さんに向かって声をかけた。

「か、母さん…!?

な、何で…!?」

村雨さんは何が何だかわからないと言うように、あんぐりと目と口を大きく開けていた。

そう、マンションの場所を訪ねてきた女性は村雨さんのお母様だったのだ。

「連絡したでしょ、今度の休みに訪ねにくるって」

そう言ってフフッと笑ったお母さんに、
「でも、今日だって言うことは言ってなかったじゃないか!」

村雨さんは戸惑っていた。