時間も時間だ、腹が減るのは当然だ。

いや、それよりもまずは喉を潤すのが先だな。

「先に飲み物から買わないか?」

そう声をかけた俺に、
「いいですよ、わたしも喉が渇いてたんで」

斎藤ゆめのは嬉しそうに返事をした。

屋台でノンアルコールのビールを2本購入すると、
「先にフランクフルトから食べませんか?」

彼女は屋台を指差すと、そう言った。

「ああ、いいぞ」

「味はブラックペッパーでいいですか?

ケチャップマスタードだと垂れて服についちゃう可能性があるので」

「構わないよ」

ブラックペッパーがかかっているフランクフルトを2本購入すると、彼女が俺に1本を渡してきた。

「いただきまーす」

ほぼ同時に、俺と彼女はフランクフルトをかじった。