その翌日のことだった。

「おはよう」

いつものようにオフィスに入ると、
「おはようございます」

すでにきていて仕事を始めていた彼らからあいさつが返された。

俺がデスクのうえにカバンを置いたら、
「あの、村雨さん…」

俺がくるのを待っていたと言うように、森脇と星崎が歩み寄ってきた。

「何だ、どうした?」

そう言った俺に星崎は周りを見回した後で、
「少しだけ、お話よろしいでしょうか?」
と、やや声をひそめて聞いてきた。

「ああ、別に構わないが」

俺が返事をしたことを確認すると、森脇と星崎は顔を見あわせた。

何かあったのか?

「ここではあれなので…」

そう言った森脇に連行されるように、俺は星崎と一緒にオフィスを後にした。