袋の中身は、赤いリボンの形をしたイヤリングである。

ネックレスにしようかどうかと迷ったが、こっちの方が彼女に似合いそうだったのでイヤリングを選んだ。

耳にピアスの跡はなかったし…まあ、これならば彼女も気軽にしてくれることだろう。

自分はアクセサリーと言うものは身につけないからよくわからないので何とも言えないが…。

しかし、今となっては後悔しか浮かばない。

「どうするんだ、これ…」

何やかんやで渡しそびれてしまって今に至る…と言う訳である。

お礼ならば、“ありがとう”とたった一言だけ言えばいい話じゃないか。

わざわざ物を買う必要なんてなかったじゃないか。

「俺はバカだ…」

俺はそう呟くと、両手で頭を抱えたのだった。