結婚をしたとは言え、彼女にもプライバシーやプライベートと言うものは存在しているのだ。

表向きは夫婦…と言うことになっているけど、俺たちの本当の関係はルームメイトと言った方が正しいだろう。

「しかし、参ったな…」

俺はソファーから腰をあげると、自室へと足を向かわせた。

自室に入ると、机のうえに置いてあるそれを手に取った。

「何でこんなもんを買っちまったんだよ…」

リボンつきのかわいらしい小さな袋に、俺は後悔することしかできなかった。

先日に俺の家で行われたホームパーティーで、彼女は見事に俺の妻を演じてくれた。

彼女の演技はなかなかのものだった。

そのおかげで俺は平穏な日々を手に入れたので、彼女にお礼をしようと思い立った。