裕大side






ドタッ!


キャーッ!


え!?何事!?

後ろを振り向くとあいつが倒れていた。

「おい、大丈夫か!?」

ダメだ。意識がない。


俺はあいつをお姫様抱っこして保健室まで連れていった。


保健室に入ると誰もいなかった。

あいつをベッドに寝かせ、頭を撫でた。

するとあいつの後頭部にコブが出来てた。

俺は冷凍庫の氷を出してあいつの後頭部に当てた。

すると美術の先生と保健室の先生が急いで保健室に入ってきた。

「おい、何があったんだ!」


俺は事情を説明した。

「分かった。あとは他のヤツに聞く。お前は保健室に残ってあいつの見ていてくれ。」


「え…はい」

「ごめんねぇ。私今から出張にいかないと行けなくて…必要であれば保健室のもの使ってね」

「はい」

「それじゃあ、頼んだぞ。」


二人は出ていき俺とあいつの二人きりになってしまった。

俺はあいつの手を繋ぎ目覚めるように願った。


「ん…はっ!!」



いつの間にか俺は寝てしまっていた。


俺はあいつの手を繋いだままだった。

『お願い…目を覚ましてくれ…!』

俺は心の中でそう強く願っていた。するとー

「ん…ここは…?」


あいつが目を覚ました。

「良かった…!ここは保健室。お前いきなり倒れるから…はぁ…良かった…」


俺はあれから全部あったことを話した。

「え…ありがとう!あのときから意識がなくなりこうなったのか!ほんまにありがとう!」

「あ!授業!早くいこう!?」

「安心しろ。大丈夫だ。先生があと一時間は休んでろって先生が言ってた。」

「でも…授業サボったら分からなくなる。」

「お前は真面目か!俺もおるし大丈夫だ。」


「うん。じゃああと一時間休む。一緒にいてくれてありがとう。」

「おう」


それから一時間あいつと楽しく過ごした。

教室に戻ると誰もいなかった。

俺はあいつと帰る用意してると

「今日はありがとう!あのとき助けてくれなかったらうちはもう…にゃっ!」

「そんなんで迷惑とか言うな。俺はお前いきなり倒れるから…」

いつの間にか俺はあいつを抱き締めていた。


「うん。ほんまにありがとう!」

「うん。それもう聞いた。もう遅いから早く帰ろうぜ!送ってくから。」

「ううん。ありがとう。今日はお母さんに迎えに来てもらうから。
そうだ!あの…もし嫌じゃなかったら車で送るから乗ってってよ。ダメ?」

そんな捨てられた子犬みたいな顔するなよ…

断れねぇじゃねえか…

「ええよ。お言葉に甘えさせてもらう。」

「うん!」


それからあいつのお母さんに迎えに来てもらって送ってもらった。

「あの…ありがとう。送ってくれて。もし嫌じゃなかったら連絡先交換しねぇ?」

「うん!したい!」


「困ったときはいつでも連絡しろよ。」

「うん!」

「じゃあまたな。」

「バイバイ!」


これであいつとの距離が縮まった気がするー