雰囲気のいい石畳でできた、傾斜の緩いの坂道を登る。レンガ造りの建物の窓からは、白熱灯のオレンジの灯りが漏れていて、近づくにつれてガーリックを焦がしたような食欲をそそるいい匂いが漂ってきた。
先生、こんなお洒落なお店知ってるんだ……。
店内に入ると、ちょうど空いていた席に案内された。
メニューを食い入るように見て、どれもとっても美味しそうで迷いに迷って、私はカルボナーラを注文した。
「ところで、さっきの映画、犯人誰だったの?」
しばらくして、注文したパエリアが運ばれてきて、先生が食べながら言った。
「えっと、あの、主人公の会社の同僚上で、一緒にその、オフィスでその……ゴニョゴニョ」
カルボナーラを口に運ぶ手を止め、私は言葉を濁す。
先生はそんな私を、疑問を浮かべたような顔で見つめている。……うっ。
「?」
「せ、せせ先生も、観てたんじゃないですか。ほら、あの、オフィスでのシーンで……」
「ああ、あの男。」
やっと合点がいったのか、先生は頷いてお冷やを一口飲んだ。
「動機はなんだったの?」
「え、えっと。痴情のもつれ的な……?」
説明できるほどちゃんと観てなかった。
先生が気になって……。
なんてぶっちゃけられないので、私はそれを誤魔化すように続けた。
「か、会社内でいろいろあったんじゃないですかね! 職場恋愛で三角関係とか。オフィスとかで働いたことがないんで実際ピンとこないですけど……。あ、学校でもありますよね、職場恋愛って。先生にもあるんですか?」
パクリとフォークに絡めたパスタを口に入れて真正面を見ると、先生がじいっとこちらを見ていた。
先生、こんなお洒落なお店知ってるんだ……。
店内に入ると、ちょうど空いていた席に案内された。
メニューを食い入るように見て、どれもとっても美味しそうで迷いに迷って、私はカルボナーラを注文した。
「ところで、さっきの映画、犯人誰だったの?」
しばらくして、注文したパエリアが運ばれてきて、先生が食べながら言った。
「えっと、あの、主人公の会社の同僚上で、一緒にその、オフィスでその……ゴニョゴニョ」
カルボナーラを口に運ぶ手を止め、私は言葉を濁す。
先生はそんな私を、疑問を浮かべたような顔で見つめている。……うっ。
「?」
「せ、せせ先生も、観てたんじゃないですか。ほら、あの、オフィスでのシーンで……」
「ああ、あの男。」
やっと合点がいったのか、先生は頷いてお冷やを一口飲んだ。
「動機はなんだったの?」
「え、えっと。痴情のもつれ的な……?」
説明できるほどちゃんと観てなかった。
先生が気になって……。
なんてぶっちゃけられないので、私はそれを誤魔化すように続けた。
「か、会社内でいろいろあったんじゃないですかね! 職場恋愛で三角関係とか。オフィスとかで働いたことがないんで実際ピンとこないですけど……。あ、学校でもありますよね、職場恋愛って。先生にもあるんですか?」
パクリとフォークに絡めたパスタを口に入れて真正面を見ると、先生がじいっとこちらを見ていた。

