どんな時も頭の片隅にいる"アイツ"



アイツはあれからも充実した毎日を過ごしているようだった。



それもそうだ、アイツは学校1の人気者で


スクールカーストではトップ中のトップ


高校内で爆発的人気グループ5人組のひとり


おしゃれで、面白くて、運動もできて、気が利く


まぁ、元から私なんてなんで選ばれたんだろうと思っていた。





不思議だった。





"いつか別れる"と分かっていたのは私だったのに


なぜか私だけがずっと前に進めなかった。




そもそも、もう何ヵ月と過ぎている。

私だってもうそんなに辛くない。嘘じゃないんだ。

きっと振られたことを認めたくない、それだけ。

悔しくて。アイツより幸せでありたかっただけなんだ。



でも


ただひとつ



もう恋はできないだろうな。


そんなことだけ、感じていた。