「別れよう」
血の気が引いた。手が震えた。
「ほら、俺たちはーーーーーーー」
耳が聞こえなくなった。
大好きなココアは手元で震え、冷めきっていた。
初めてココアを残した。
私にとって1人目の彼氏。
どんなことも乗り越えて幸せになれると浮かれていたんだ。
だから失恋なんて夢のまた夢、ドラマの中の話だと思ってた。
友達からのちょっとした無視や
お母さんに怒られたこと
部活がうまくいかないこと
そんなこと、実は全然辛くなかったんだって思い知る。
彼がどうして別れを選んだのか
結局、話は入ってこなくてわからなかった
でももうとにかく無理なんだということは彼の顔を見ればわかった
「今までありがとう。幸せでした。」
自分でもわかるぐらい引きつる笑顔で言った。
私、どうやって毎日を過ごしていたっけ
急に1人になった
いつも通りヘッドフォンから聴こえる愛しの音楽すら
今は鬱陶しいだけ。
君が教えてくれた音楽
聴けなかった。
大型バスが走ってくる
このまま轢かれてもいいや。
本気で死んでもいいと思うことが、自分の人生にあるなんて