――稔矢は一体、誰宛に『おめでとう』のメールを送りたかったんだろう。 寝入る稔矢にもう一度目線を投げてみる。 こうなって、途中で起きたことは今まで一度だってないし、今日も確実に起きないだろう。 リモコンをガラステーブルの上に置くと、留実は稔矢の帆布のトートバッグを探り始めた。 内ポケットに無造作に入れられた携帯は、いとも簡単に見つかった。 不思議なほど、罪の意識は感じなかった。 そもそも、間違えてメールを送る稔矢の方が悪いんだから。