浮気らしきものを知ったのは、ひょんなことからだった。
つい出来心で、という言い訳があるがまさにそれが当てはまるだろう。
彼女が泊まりに来たある日のこと、いつもなら一緒に入る風呂が別々だったことがあった。
「生理中くらい一人で入りたいわ」
そう言われてしまうと、男としては何も言えなくなってしまう。
どちらかと言えば血は苦手な方の太田は、すんなりと引き下がった。
一人残ったリビングの、テーブルの上に放置されたままの彼女の携帯電話。
シンプルなストラップが一つ付いているだけの上品な携帯だ。
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