「はいー!次ー」
かすれて疲れきった声で教室のドアを開け客を入れる和馬。
あと、どんぐらいいんだよ…
目を細めながら
どのぐらいの客がいるのか最後列を見た和馬の顔は
いきなり笑顔になった。
花梨ちゃんじゃん!
そこには、愛しの彼女の姿があったからだ
そして
その隣にはいかにも不機嫌な顔をした桃代の姿も目に入っていた。
そんな桃代の姿を見た和馬はさらに笑顔になった。
よしっ!
来ないからどーしようか迷っていたけど
やっと来たよ
一安心しながら
客を目がたらんと垂れ下げながら座る隼人の所まで誘導する。
「きゃーやばい!!」
「あ、こんにちわ!」
だが客が自分の前に現れた瞬間に
カッコイイ営業スマイルを見せ付ける。
だが、そんな隼人を
和馬は優しく見つめた
隼人。
次は俺がお前の恋を応援するばんだ。
そう心の中で隼人に言うと和馬は黙って教室を出て
桃代達の所へ向かった。

