そんな桃代を夏樹と花梨はほっとかなかった。
「ぎゃっ!」
黙って桃代を二人で抱えて立ち上がらせると
あの激しい列へと入って行った。
「ちょー…ちょっと〜」
焦る桃代を無視して
二人は桃代の両腕を力強く掴んでいたから
「ん〜〜離せぇ〜〜」
いっぱいの力を入れながら花梨と夏樹から離れようとするが
当たり前に
桃代一人の力では
女二人の力には絶対に敵わなかった。
「勝った!」
ニシシと笑いながら片手で花梨にむかってピースをすると
「当たり前!」
と夏樹にピースをかえした。
自分の力の強さをしった桃代は諦めて
ピクリとも動かなくなっていた。
もう、いーや…。

