その場に一人残された隼人は、そのまま座り込んでしまっていた。
俺がかっこよくない?
気に入らない?
前に桃代に言われていたが、あれは恥ずかしいからじゃないのか?
本気だったってことか?
今までに色んな女子に
「きゃー隼人様カッコイイ!」
「今日も素敵!」
「大好き〜」
なんて言われ続けていたのに
今日、今桃代に言われた言葉の衝撃があまりにも大きすぎて
体がささえきれなくなった。
しかも
好きな人だったし…
その場で
しばらく黙り込んでいた隼人だったが
「ふふふ…」
いきなり不適な笑みを浮かべた隼人は
しだいに大きな声で笑い出した。
「あの女、絶対俺をカッコイイと思わせてやる」
さっきまでの、あの隼人の純粋そうな顔とは掛け離れ
今の隼人の顔は
キリッとしていて
何かを企むような表情になっていた。
そう
前にもあった
悪知恵のスイッチがONになってしまったのだ。
せっかくOFFになっていたのにー…

