「和馬くーん!」 和馬がいるA組の教室の入口から大きな声で呼んだ。 当たり前に、そんな桃代は、周りからの注目の的になってしまっていたが 今の桃代は、そんなことはどーでもいいことだった。 すると、桃代の顔はいきなり明るくなった。 なぜなら、 自分の方に感じる視線の中から、和馬くんの視線が目に入ったから 「和馬くん!」 和馬がいる位置を知った桃代は、さっそく そこまで駆け足でむかった。 そんな桃代を、和馬は黙って見ることしか出来なかった。